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2010年 02月 17日
1968年2月に暴力団員ら2人を殺害した容疑者が、静岡県川根本町の寸又峡(すまたきょう)温泉の旅館に5日間立てこもった「金嬉老(きんきろう)事件」。在日韓国人2世だった金嬉老元受刑囚(81)が記者らを招き入れて在日差別を糾弾するなど、初の「劇場型犯罪」として戦後史に刻まれている。20日で事件から42年がたつのを機に、現場となった旅館の女将(おかみ)、望月英子さん(71)が館内に資料を展示し、一般公開する決意を固めた。【網谷隆司郎】
◇昭和の特異な事件、忘れまい 「怖かった。もう忘れたいと何度も思った」 宿泊客11人、家族4人と共に人質になった「ふじみや旅館」の望月さん。元受刑囚のライフル銃とダイナマイトにおびえた。3日目に子供らと解放されたが、残された人質のために母屋と旅館を往復、食事の世話を続ける女将根性を見せた。「後味の悪い事件で長年、封印してきたが、風化させてはならないというご意見をいただいた。昭和の特異な事件を次代へ引き継ぐことも当事者の責務と考えた」というのが開館理由だ。 資料は当時の新聞・雑誌のスクラップや写真類、韓国人僧侶からの感謝状など約200点。1階の大広間に並べた。今では塗り込められて見えないが、「罪もないこの家に大変迷惑を掛けたことを心からお詫(わ)びします。この責任は自分の死によって詫びます。お母さん不幸(不孝の誤字)をお許しください」と書いた壁の前に立つ本人の写真もある。 一昨年11月、望月さんはテレビ朝日の報道番組で、インタビューに答える金嬉老元受刑囚を見た。「元気そうでしたね」と皮肉っぽく語る。元受刑囚は75年に無期懲役が確定、99年に強制送還を条件に仮出所して以来、韓国で生活しているが、旅館には「何の音信もありません」という。 ◇地元に賛否の声 12軒からなる地元の寸又峡温泉にも「今さら事件には触れないほうが」「いや、歴史の現場として正面から取り組もう」と賛否の声があるが、今は「冬のスマタ」キャンペーンを展開中だ。資料館は20日ごろ開館の予定。大人700円、子供400円。 【関連ニュース】 <金嬉老事件は解決したが・・・>特集 忘れない 「未解決」を歩く 監獄歴史館:博物館網走監獄がリニューアル /北海道 イタイイタイ病:継承の県立資料館、国際伝統医学センターに設置 記者ノート:特攻隊の資料館 中沢啓治さん:「次は絵画で追及」 「はだしのゲン」作者、原爆資料館で講演 ・ 反対押し切り、専門外の手術強行=山本容疑者「任せとけ」−奈良県警(時事通信) ・ 鳩山首相、小沢氏続投を確認(時事通信) ・ 選んだ蔵書でココロが“読める” 首相の本棚「外交」ゼロ?(産経新聞) ・ 日米でプリウスをリコール=今週前半にも、30万台−トヨタ(時事通信) ・ 「意図的な虚偽報告ない」を撤回=会見発言は誤解−石川議員が談話(時事通信)
by fsth1cxzua
| 2010-02-17 05:26
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